スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

書を捨てよ、寺に行こう。 VOL.11

バンコクのフリーペーパーWOM誌上にて連載されていた出家ブログ、残すところあと2編。
今回は日常生活と断絶されたお寺の世界について、気になることを徒然に加筆修正してアップします。

それでは、ウエルカム・トゥ・ジ・アザー・サイド・オブ・ザ・ワールド。



VOL.11 異界と私

.......チェンマイの山奥にある森林派の修行寺、

私はここに三週間滞在した。


寺院の前を小さな国道が走り、

それ以外は鬱蒼とした大自然が広がっている、

宝鐸のチリリーン・キラーンという音色が透明な静寂に漂い、

三本足の犬があくびをする、

知ってるはずだった時間の感覚がぐにゃりと溶けて、

表層的な現代社会がべろんとはがれ落ちる。

2016101901.jpg


異界。


私は彼岸の方々(香ばしい業のある方々)と遭遇する機会は体質的に多い方だ。

しかし彼岸の世界を体験するのはこれがはじめてである。

まさに異界だった。

奥行きのある温かさに包まれた、優しい異界である。



.....出家する前に、お客様から心配されたことがふたつある。

ひとつは、

タイ人が大好きな心霊関係のことだ。

山には不思議なパワーがあり、

山の神や物の怪など、

人間には未知の領域として畏怖されることも多い。

あまつさえ、山の中にある寺院である。

これは何かあるのではないか、

と何人かのお客様が目を輝かせ(?)ながら私を心配、してくれた。

私には変わった能力がある。

ワイフが大切なものを無くして途方に暮れているときなど、

頭の中にイメージがあらわれ、

体が勝手に動き、

無くしたものをヒョイとみつけてしまうのだ。

ワイフは鳥肌を立てながら、

気味悪そうに私を見るのだ(それって霊能力?)。

いずれにせよ、そんな敏感少年の私である。

死霊の盆踊りくらい出くわすのではないか、

私は期待とワクワク感にかられていた(同義語)。


のだが。


副住職の野坂先生である。

「私はここに10数年いますが、そんなもの見たことないです」

この言葉を聞いたとたん、

私の中で一瞬にしてまわりの風景がスパーンと浄化されていくのがわかった。


私達比丘の住む僧房は、

ひとつひとつ山の中に離れて点在している。

夜ともなると、

暗闇の木々の中にひとり、

ぽつんと過ごすことになる。

おそらく普段の私なら、

木々の揺れる姿やこすれる音や、

小動物の徘徊におののいていたに違いない。

だが野坂先生の言葉により、

夜中でも僧房の外でボケーっと星を眺めたり竹棒で素振りをしたりすることもできた。

(ある方によると、あの寺院の周りには『結界』があり、まがまがしいものや邪悪なものが入り込めないような異空間になっている、と解説してくれました。真偽のほどは、よくわかんなーい。)

2016101903.jpg

.....お客様が心配された、あとひとつのことは、

男色、

のことである。

男性のみの共同体であり、

なおかつその寺院の住職は元軍人である。

そしてしばしば組合員に間違われがちの私だ。

お客様は上目遣いになり、その目で訴えかけてくる。

「山の中じゃ助けを呼んでも誰も来てくれないからね…」

そうかもしれない。

私もボンヤリと不安になった。


のだが。

パーティモッカ227戒経(比丘として守らなければいけない規則がまとめられているもの)、

その中で僧団追放の大罪(パーラジカ)とされるのが四つある。

「姦淫」「窃盗」「殺生」「(悟りをひらいた、と)嘘をつくこと」、

この四条を守れなかった場合、

比丘として生きていくことができなくなるのだ。

つまり私は、

パーティモッカに守られていたのだ。

はい論破(誰を?)。

2016101902.jpg



.....とは言いつつも、

生臭坊主のニュースがしばしば新聞の紙面をにぎわしますけどね…ドンマイ。



先生、私は煩悩のドバドバ大爆弾です。

ではまた、ご自愛ください。












ニンニン
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

猿岡賢蔵

Author:猿岡賢蔵
2005年7月、バンコクに美容室P.I.X.をオープン。2013年5月に本帰国し、2015年4月、学芸大学駅にP.I.X.をオープン。ホームページ作りました。右側のリンクからのぞいてください。

よろしくメガネドラッグ(←意味なし芳一)。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
FC2カウンター
最新トラックバック
月別アーカイブ
リンク
フォローしてください。
{\rtf1\ansi\ansicpg1252 {\fonttbl\f0\fnil\fcharset0 ArialMT;} {\colortbl;\red255\green255\blue255;\red0\green0\blue0;\red255\green255\blue255;} \deftab720 \pard\pardeftab720\sl360\partightenfactor0 \f0\fs24 \cf2 \cb3 \expnd0\expndtw0\kerning0 \outl0\strokewidth0 \strokec2 \ \ \ \ \ }
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。